マイナス思考の治し方

「友人3人に近況報告のメールを送ったが誰からも返信がない」

こんな時、皆さんはどんな気持ちになるでしょうか?

不安になったり、憂鬱になったり、怒りがわいてきたり・・・

では、この感情はどこから湧いてくるのでしょうか。

実は、感情の前にその刺激をどう受け取るか、という「認知」があり、この認知によって感情が作られる、という考え方があります。

私たちの感情はその物事をどう認知するかで変わってくるのです。

実は、悩みを抱えやすい人は、物事に対してネガティブな受け取り方(認知)をしていることが多いのです。 では、どんな認知が問題なのでしょうか。 

  • マイナス感情を生む自動思考
  • 認知のゆがみ
  • マイナス思考から抜け出すためには
  • 認知に働きかけるカウンセリング技法
  • マイナス感情を生む自動思考

    私たちには、何か刺激を受けたときに、深く考えたわけではないけれど瞬間的に浮かんでくる考えがあります。このような考えを「自動思考」といいます。

    例えば、先ほどの「友人3人に近況報告のメールを送ったが誰からも返信がない」というときに、瞬間的に浮かぶ考えです。

    「私は皆から嫌われてるのかもしれない」→不安

    「どうせ皆は私のことを軽く扱っているに違いない」→憂鬱

    「私以外のところで皆が繋がっているのかもしれない」→悲しい

    「すぐに返信するべきだ」→怒り

    このような自動思考が不快な感情を引き起こしているということがよくあります。

    でも、この自動思考が変われば感情も変わるかもしれません。

    同じ刺激に対して、

    「たまたまみんな忙しかったのかもしれない」

    「よく考えてから返事をくれようとしているのかもしれない」

    など、いくらでも考えられるわけです。

    認知のゆがみ

    同じように、誰にでも経験があるような小さな失敗を「どうして自分だけはできないんだろう」なんて考えたり「きっとこんな失敗をしたらもう自分の人生は終わりだ」なんて極端に考えたりする癖はないでしょうか。

    このような自分が陥りやすい認知のパターンを「認知のゆがみ」と言います。認知のゆがみには

    ①二分割思考、両極端な思考・・・・うまくいったか全然ダメかどちらかしか認めない                 

    ②過度の一般化・・・少しでも不幸なことがあると、すべて不幸だと感じる

    ③破局形成・・・・いつも最悪の事態を考えていて、自分に起きやすいと感じる

    ④マイナス化思考・・良いことがあってもまぐれにすぎない、という否定的思考

    ⑤否定的予測・・・・ささいなことからいつも否定的な予測が浮かぶ

    ⑥自己関連づけ・・・自分はいつも誰かから注目されている(特に悪い行い)

    ⑦過度の責任性・・・周囲の悪いことは、全部自分に責任がある

    ⑧すべき思考・・・・理由もなく、人は絶対に~すべきだと確信している

    ⑨選択的抽出・・・あることにだけ強くとらわれる

    ⑩低い自己評価・・・自分は何をやってもまともにできない、ほかの人より劣っている

    ⑪拡大視・縮小視・・・あることを極端に大きく考えたり、逆にささいなことだと感じたりする

    などがあります。

    マイナス思考から抜け出すためには

    では、どうしたらマイナス思考から抜け出すことができるのでしょうか。

    そのためには、

    ①嫌な感情になったときに、自分の受け取り方(認知)をチェックすること。

    ②自分が陥りやすい認知のゆがみのパターンに気づくこと

    ③別の見方をしてみること

    ④自分の思い込みに自分自身で反論してみること。

    ①~④の順で行うことです。

    認知に働きかけるカウンセリング技法

    このような、受け取り方(認知)に働きかけるカウンセリング技法に「論理療法」「認知療法」があります。そして認知とともに、具体的に行動を変えていく方法を「認知行動療法」と言います。うつの方や悩みを抱えやすい人には有効な方法です。


    感情は意思の力で変えることが難しいのですが、自分自身の受け取り方(認知)は自分で気づいて意思の力で変えることができます。受け取り方(認知)が変わるとその影響で感情や行動が変わり、マイナス思考から抜け出すことができるのです。

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カテゴリ:コラム