物事を後回しにしてしまう心理~先延ばし癖を治す方法~
皆さんは、夏休みの宿題を先に片付けてしまうタイプだったでしょうか?
それとも夏休みの最後、新学期ギリギリになって焦ってしまうタイプだったでしょうか?
大人になってからも、やらなくてはならないことがあっても、どうしても締め切りギリギリになるまでエンジンがかからない、という人がいます。
なぜなのでしょうか?どうしたら先延ばし癖を治すことができるのでしょうか。
- 物事を後回しにしてしまう原因は?
- 先延ばし癖を治すには?
物事を後回しにしてしまう原因は?
実は私たちが物事を後回しにしてしまうのにはいくつかの原因があります。
①快楽原則に従ってしまう
後回しになってしまう物事は、「やりたいこと」ではなく「やらなければならないこと」であるため、そちらに集中力を向けることは誰にとっても非常にエネルギーがいることです。
精神分析学を創始したフロイトはそれを「快楽原則」と「現実原則」の葛藤という言葉で説明しました。私たちは「困難や不快を避けたい」という本能があります。つまり「快楽原則」で生きているのです。しかし、それに対して社会でいきていくために、その快楽に流される気持ちを現実を見ながら調整する力があります。それを「現実原則」というのですが、ついつい、「やりたいこと=快楽原則」が優勢になってしまい、「やらなければならいこと=現実原則」に従う行動は先延ばしになってしまうのです。
②その物事が実際より大きなことに感じる
「嫌だ、不快だ」と思うものを私たちは正しく認識することができずに実際より大きく感じてしまうということがあります。例えば小さなシミも「嫌だ、取り除きたい」と思えば思うほど、大きく感じられてしまう、というのと一緒です。
実際よりも大きく感じられて負担が増してしまうため、取り掛かるのがおっくうになってしまうのです。
③失敗に対する不安
完全主義傾向がある人は特に、「失敗したらどうしよう」という不安が大きく、慎重になりすぎるあまり行動に移すことができないことがあります。
④すぐにやる意味がわからない
例えば、部屋の掃除をついつい後回しにしてしまう人でも、来客がある予定があれば取り掛かれる人が多いのです。
その行動をすぐにやる意味が見いだせないとモチベーションは下がります。
先延ばし癖を治すには?
①タスクを小分けにして可視化する
タスクを必要以上に大きく感じて圧倒されないように、小さなブロックに小分けにすることが重要です。
そしてそれをスケジュール帳などに記入して可視化することで、タスクを把握しやすくします。
また、先延ばし癖がある人は、物事の優先順位をつけることが苦手な人も多いのです。
可視化できると優先順位がつけやすくなり、どこから手を付ければ良いかわかりやすくなります。
②それぞれのタスクの締め切りを設定する
可視化されたら、最終的な締め切りの前に、それぞれのタスクの締め切りを設定します。
先延ばしにしてしまう人であっても、なんだかんだいって結局は間に合ってしまうのはなぜでしょう?それは締め切り前になるとプレッシャーがかかることで脳が緊急モードとなり注意力、集中力が増す面があるからです。
ただ、あまりにも強いプレッシャーとなってしまうと、時にはパニックになってしまうことも・・・
泣きながら親に宿題を手伝ってもらった、という人もいるかもしれません。
また、先延ばしにしているということは、常に心に「やらなければならい、でもやりたくない・・・」という葛藤を抱えているということです。これは非常にストレスフルなことです。 細分化したタスクそれぞれにデッドラインを決めておけば、余裕をもって最終締め切り日を迎えることができます。
③報酬(ごほうび)を用意する
一つ一つのタスクが達成されたら何か自分にご褒美を与えます。ここまでやったら、ずっと観たかった映画を観る、友達とランチに行く、など、そのことを目標にすると効果的です。
自分の今の辛い状況の先に報酬が待っている、という状況を作りモチベーションをあげていきます。
④一日の最後に振り返る
タスクが終了したらその日の最後に可視化したリストにチェックを入れることで達成感が得られます。そして、小さな達成感を日々繰り返すことで、ストレスから解放される心地よさを体験していきます。その心地良さ自体が報酬となり、先延ばし癖から抜け出すことができるのです。
私たちの心には様々なメカニズムがあります。
そのメカニズムを知ることで、様々な悩みに対応することができるのです。
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