無意識とは何か?

頭では「もうこんなことやめた方が良い」とわかっていてもいつの間にか同じことを繰り返してしまう、こんなことはありませんか?

私たちは、日々の行動のすべてを意識的に行っているわけではなく、実は多くのことを無意識に行っています。

つまり、私たちには、自分なんだけれど自分でないという部分があるのです。これが無意識です。

意識できる部分は氷山の一角で、その下には無意識の領域が無限に広がっているのです。

「無意識」は無の領域というわけではなく、私たちが把握できていないだけで絶えずここでも精神活動が行われています。

精神分析で有名なフロイトはこの無意識ということに何かがあるのではないかと研究を重ねました。

では無意識には何が入っているのでしょうか?

~無意識には何が入っているのか~

その一つが本能的な欲求です。

動物として「生きたい」というエネルギーや「子孫を残したい」というエネルギーです。

動物や赤ちゃんは無意識そのものです。無意識におっぱいを求めて無意識に排泄するわけです。

ところが人間の場合はずっとこのままというわけにはいきません。社会で生きていくためには、社会のルールを学ぶ必要があります。

例えば、「トイレはここでするのよ、ご飯はこうやってたべるのよ、こういう場合はこうするのよ、こんなことをやったり言ったりしてはいけないよ」ということを親や周りから教育されます。それによって、理性や良心というものが培われて、自分自身の行動を律するようになるのです。

つまり、無意識の中には理性や良心によって抑圧された、本能的な欲求が詰まっていると考えられます。

抑圧というのは、無理やり抑え込んで、意識から消してしまうことです。

どうして意識から消してしまうのかというと、それは意識すると不都合があるからです。自分にとって都合が悪いから無かったことにしてしまうわけです。

だから、無意識の中には心に抱いたけれど表面に出せなかった怒り、恨みの感情、強いショックを受けた時の驚きや悲しみ、あるいは、思ってはいけないと心が判断した欲望、そして、あえて抑えておいたほうが良いと思われる性欲など、無視しておきたいものが詰まっている、と云われています。

ただ、これは意識的に抑え込もうとしてやっているわけではなくて、自分自身を守るために無意識的にやっていることなのです。

無意識が勝手に判断をして自分の身を守るために抑圧するので、日常生活の中で嫌な感情を抱いたとしてもそれが抑圧されたのかどうか、抑圧されたとしてもそれがどの程度どのようになのかは、自分自身でもわからないのです。そして抑圧されると、意識の上では大したことがなかったように感じてしまうわけです。

例えば、父親に虐待された人が、意識の上では虐待を行った父親を憎んでいるとしても、実は無意識ではその時に気づいて助けてくれなかった母親を憎んでいるということもあるわけです。でも母親を憎んでいることを意識化してしまうと、あまりに辛すぎて精神的に破たんしてしまう、だから無意識が抑圧という方法を選んで身を守るということがあるのです。

~意識の上に上ってくる時~

ただ、問題なのはそれは一時的に自分の本音をごまかしているだけで抑圧した感情はなくなるわけではなく隙をねらっては形を変えて出てこようとするということです。

ではどのような形で意識上に上ってくるのかというとフロイトは、①錯誤行為(やり間違い、言い間違いなど)②夢 ③神経症の症状であると言ったのです。よって精神分析という技法ではクライエントの無意識を分析し、意識化することを目指します。

~カウンセリングでは~

精神分析以外の他の療法においても、多くがクライエントの意識ではなく無意識に働きかけようとします。意識に働きかけると「わかっているんですが・・・」という抵抗にあったり知的理解に終わってしまい行動変容に結びつかないことが多いのです。

無意識の中には悪いものだけではなく、自覚されていない自分なりの問題解決方法や知恵、願望なども詰まっています。それを引き出し活性化していくことがカウンセラーの役割だと言えるでしょう。

人は誰か他人から何かを言われて変わるのではなく、無意識の中にある自分の声を聞いた時に変われるのです。

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カテゴリ:コラム