カウンセリングの副作用

カウンセリングには副作用があるのでしょうか。


薬と違って身体的な副作用はカウンセリングにはないのですが、一時的に感情が不安定になるなど精神的な副作用がある場合があります。
それはどのようなものかというと、例えば


①カウンセリングが辛くなる
カウンセリングが進むと、自分が今まで蓋をしてきたナイーブな部分、できれば見たくないという部分に直面していかなければならない場合があります。
その結果、「変わりたいけれど変わりたくない」このような気持ちを持つことがあります。これを「抵抗」と言います。
カウンセラーがこの抵抗をいかに処理していくのかが重要になります。


②カウンセラーに対して怒りや憎しみ、過度な愛着の気持ちを持つようになる
これは「感情転移」と呼ばれます。多くの場合、カウンセラーに対して本当にそのように感じているのではなく、カウンセラーの中に自分の未解決の人間関係を投影して起こるのです。


③今までの人間関係に変化が生じる
今までの人間関係がクライエントが無理をすることで成り立っていた場合、本来の自分を取り戻すにしたがって変化していきます。時には周りとの距離の取り方が一時的によくわからなくなったりすることがあります。


ただ、これらはすべて回復していくためのプロセスとも言えます。この副作用を小さくするためには、カウンセラーのクライエントのへのかかわり方が重要になります。


④疾病利得を生んでしまう
このような副作用をもたらすアプローチもあります。
日本のカウンセリングは未だに「傾聴」といって優しく話を聞くだけ、というやり方をしているところも多いのが現状です。
ところが、優しく話を聞いてもらえるとクライエントによってはそれが心地よく感じ、いつの間にか「疾病利得」を生んでしまうことがあるのです。疾病利得というのはその状態であることにメリットが出てしまうということです。
そして一向に問題解決に至らないという状態に陥ってしまいやすいのです。
これを繰り返していくと、何かあるたびにカウンセラーに頼る、というカウンセリング中毒のような状態になってしまうこともあります。


◆副作用に対するカウンセラー側の問題

カウンセラーと名乗る方の中には、実は自分自身のコンプレックスが解決されておらず、無意識のうちにクライエントに必要とされることで自分の存在価値を見出している場合があります。これを「メサイアコンプレックス」と言います。


本当の問題解決とはカウンセリングを通じでクライエントが自分の力で人生の困難に立ち向かっていく力をつけることです。
いつまでもカウンセラーがそばにいなければ生きていけないという状態は問題解決とは言えません。


カウンセラーはそのことを肝に銘じでクライエントに関わるべきなのです。


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カテゴリ:コラム