寂しい人の心理

「誰からも必要とされていないようで寂しい」こんなことを訴えてくる人がいます。

「便所飯」という言葉があります。これは「ご飯を食べる友達もいない寂しい奴だ」と思われたくない若者が、人目を避けてトイレでご飯を食べることを指した言葉です。

私たちには「投影」という心理があります。投影というのは、自分の心理状態をあたかも相手が持っているように思ってしまうことを言います。

つまり寂しい人ほど、自分の心を周りに投影し「周りの人は自分のことを寂しい奴だと思っているに違いない」と怯えるのです。

若い人に限らず、「寂しい気持ち」は誰にでもある心理ですが、いつも心にぽっかり穴の開いたような寂しさがあって、何らかのきっかけでうつ状態になってしまう人がいます。

なぜなのでしょうか。

  • 寂しい人の特徴
  • 寂しい気持ちの原因
  • 解決方法は?
  • 寂しい人の特徴

    ①依存的になる

    「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」をご存じでしょうか。カオナシは千の関心を買うために、多くの物を千に差し出します。それでも千に拒否をされてしまい、千に執着する化け物となってしまいます。

    これと同じように、寂しい人はその寂しさを何かに依存することで埋めようとします。

    特に、友達や恋人、夫や妻や子供、といった人間関係に依存しがちで、その関係が崩れると一人で立っていることができずにうつ状態になってしまうことがあります。

    ②相手の顔色を伺う

    人間関係を維持するために、相手の顔色を伺ってしまう人もいます。

    「見捨てられ不安」といって、自己主張したら嫌われてしまうのではないか、離れていってしまうのではないかという恐怖心があるのです。

    ③自分の人間関係の豊かさを誇示する

    寂しい人の中には、SNSなどで、自分の人間関係の豊かさをアピールする人もいます。だから、一見すると寂しい気持ちを抱えているようには見えませんが、そのアピールは寂しさを見せまいとする裏返しの行動なのかもしれません。

    私たちには「反動形成」という心理があり、自分の心の中にある認めたくないものが表に出てきてはまずいと思えば思うほど、反対の形で表してごまかそうとするのです。

    寂しい気持ちの原因

    ではなぜ、このような寂しい気持ちになるのでしょうか。

    ①愛着形成がなされていない

    人は乳幼児期に特定の養育者から適切に愛情を注がれることが必要です。子供は不安な時に親や身近にいる信頼できる人にくっつき安心しようとします。それによって心の土台ができるのです。これを「愛着」と言います。ところが何らかの要因によってこの愛着が十分に形成されていないと大人になってから様々な精神的な問題を抱えるということが言われています。

    慢性的な寂しさを持つ人の中にはこのような愛着形成がなされなかったことが原因ということもあります。

    ②アイデンティティが形成されていない

    青年期になると、私たちは他者との違いを意識し、自分とは何か、ということを考え始めるようになります。他者と自分を比較して劣等感を持ったり、自分の理想を体現しているようにみえる芸能人やスポーツ選手に憧れを持ったりします。そんな中で何度も自分を見つめ直し、悶々としながら「自分自身」を作っていくのが青年期です。ところがこの青年期にアイデンティティが形成されていないままに、性的な欲求だけで他者と結びついてしまうと、その後に様々な問題が出てくることがあります。「目の前に相手がいるのに、心が寂しい」という状態になってしまうのです。

    ③自分を生かせる場がない

    人間の本能の中に、「社会的欲求」、「承認欲求」「自己実現の欲求」というのもがあります。社会的な欲求というのは、人と交わりたいという欲求です。また、承認欲求というのは他者から認められたいという欲求です。

    人はこのような欲求が本能的にあるので、それが満たされなかったときに寂しさを感じるのは当然なのです。そして、一番高次の欲求が「自己実現の欲求」です。自分にしかできないことをしたい、自分が生きている意味を感じたい、という欲求です。このような欲求が満たされないときに寂しい、という感情がわいてくることがあります。

    解決方法は?

    ①一人の時間を大切にする

    私たちは寂しさを感じた時に、その寂しさを物や人に依存することで何とか埋めようとしがちです。でも、自分の寂しさは実は自分にしか埋められないのです。

    自分の中の寂しさを認め、そんな時こそ一人の時間を大切にすることです。

    「自分は何が好きなんだろう?」「どんなふうに生きたいんだろう?」ということを自分自身と対話してみることです。

    児童精神科医のウィニコットは「一人でいられることが成熟の証である」と言っています。

    一人の孤独を知っている人は、目の前の人を本当の意味で大切にすることができるのです。

    ②人の役に立つことをする

    そして、そのうえで仕事やボランティア活動など、何か社会活動をすることです。それによって他者とかかわること、また他者に感謝し、感謝されるという相互の関わりが重要です。

    「自分は誰かの役に立っている」という感覚を「自己有用感」と言います。

    自己有用感を高めることが寂しい気持ちから脱するためには重要です。


    カウンセリングを学ぶと、自分自身をよく知ることができます。それによって周りの世界の見方が変わり、より豊かに人生を生きていくことができるのです。

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カテゴリ:コラム